
教職員・地域学校協働活動推進員・学校運営協議会会長が対話し、協働活動のこれからを考えるm-CoCoA研修会議を開催
コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進を真庭市内全域でさらに進めるため、学校教育課と生涯学習課が主催し、令和7年度第2回学校運営協議会会長研修会とm-CoCoA(中期)研修会議を、令和7年10月14日(火)に勝山文化センターで合同で開催しました。
学校運営協議会会長、地域学校協働活動推進員、学校教職員など、学校と地域をつなぐ関係者が一堂に会し、これからの協働のあり方について考え、交流する時間となりました。
研修会議の中心は、岡山県教育庁生涯学習課地域学校協働活動アドバイザー・安田隆人先生による講演とグループ協議です。
安田先生のご講演では、まずコミュニティ・スクールと地域学校協働活動制度の目的や意義を改めて確認しながら、制度の定着に伴って見えてきた「コミュニティ・スクール形骸化の可能性」にも触れられました。

その中で
・「対話を重ねることの重要性」
・「地域学校協働活動を何のために行うのかという目的意識を明確に持つこと」
の2点について確認をしました。
また、課題解決の過程で欠かせない“発想力”や“類推力(アブダクション)”についても「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせに過ぎない」というジェームス・W・ヤングの言葉を引用し、学校や地域の既存の取り組み・資源を組み合わせることで、新たなアイデアを生み出すプロセスの大切さを伝えられました。
ご講演の後は、講演内容を踏まえての協働の在り方や、今後の取組アイデア創出について話し合いました。
まずはアイスブレイクとして「類推力を高めるトレーニング」を実施。
一見関係のない言葉を、内容から類推してカテゴリー分けするワークです。
カードを手に取りながら「これはどのグループかな?」「こっちじゃないですか?」と活発なやり取りが続き、会場は一気に和やかな雰囲気に。


最後の一枚をめぐって思案する姿に、新たな提案や応援の声が上がるなど、温かい空気に包まれました。
全体共有の場面では、思いもよらぬ分類や新しい視点に「そうきたか!」と驚きの声が上がり、発想の豊かさと多様な考え方を楽しむ時間となりました。
「類推力トレーニング」の後は、各学区のCS共育目標や学校教育目標を確認し、目標実現に向けた活動テーマを設定。続いて、教育資源を洗い出し、内容ごとにカテゴリーをつけながら協議を行いました。
各テーブルには2〜3学区が一緒に席についており、テーマ決定の段階から意見交換が活発に行われました。
教育資源を見ながら「何が生かせるか」を話し合い、
Keep(よかったこと・継続すること)/Problem(課題・改善すべきこと)/Try(やってみたいこと・課題の解決策)
の観点で整理。シートにまとめる過程では、互いの学区の取り組みを紹介し合うなど、自然な情報共有も生まれました。



最後はギャラリーウォーク。他のテーブルを自由に回りながら、他グループのまとめについて共感した内容に「いいねシール」を貼っていきます。
移動してテーブルで出会った参加者同士で「うちでもやってみたい」「その活動は参考になる」と会話がはじまり、終始前向きな雰囲気に包まれていました。













<参加者アンケートより>



<感想>(一部抜粋)
・対話の重要性を「話して理解させる」ではなく、体験を通して実感できました。来年度はCS委員と教職員で実践したいです。
・学校運営協議会をどう活性化するか悩んでいましたが、グループ協議の形が見え、自校でもやってみたいと思いました。
・他地域との対話で新たな視点が得られ、対話の大切さを改めて感じました。
・中高生を巻き込むという視点を新たに得ることができました。(小学校関係者)
・KPTワークで出た「Try(やってみたいこと)」に良いアイデアが多く、実現できると良いと思いました。
・「一人で悩まず相談する場が大事」「子どもの意見も必要」という声も多く聞かれました。
・市内の中学校全ての方と情報交換できる機会があればと思います。(中学校関係者)
・子どもたちが伝統を知らないことが分かり、次につながる道すじが見えた気がします。
今回の研修会議を通じて、学校と地域が共通の目的意識をもって協働することの大切さを改めて確認しました。
大切なのは、ここで得た気づきを次の一歩につなげることだと思います。
小さくても具体的な行動を重ねることで、学校と地域のつながりがさらに強まり、新しい学びや出会いが生まれていきます。
また研修を通して、担当学区の具体的な課題に気づかれた方や、すでに学校と地域の立場を越えた対話の場を設け、効果を実感している学校があることもわかりました。
これらの気づきや実践が、今後の市全体の協働の気運につながることが期待されます。
今後も、生涯学習課・学校教育課では、地域学校協働活動推進員や学校関係者の皆さんが実践に生かせる学びと交流の場を設け、学校と地域がともに歩むまちづくりを支えていきたいと思います。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
(文責::郷育魅力化コーディネーター 辻祥恵)