自然の中で自由に遊ぶ
10/17(木)に津黒いきものふれあいの里の散策道を使って、中和保育園と星のこども園の園児の交流会が行われ、その活動に同行させていただきました。
中和保育園では、これまでも「森あそびの日」として「津黒いきものふれあいの里」や「はにわの森」をフィールドにした「森あそび」を実施されていました。
※中和保育園の取組についての詳しい情報は、VIVAまにわ特集ページに掲載予定。
中和保育園の「森あそびの日」の実施日に合わせて、星のこども園の園児が社会見学で訪問して2園の交流が実現しました。
今回の交流会では、「別々の地域で育つ子どもたち同士の交流を通して体力や感性を育む」ことを目的とされて、当日の案内は保護者でもある方と、はにわの森のスタッフそして、中和保育園の子どもたちも「自分たちの森」という感覚で星のこども園の園児たちと関わる姿も見られました。
【初めましての出逢い】
思い思いの時間を過ごしていると、星のこども園の園児たちがバスで到着。
みんなでお出迎えに。
中和保育園の子どもたちの倍以上の星のこども園の園児の数。
圧倒されるのかなぁと思うのは、大人の余計な心配だったようです。
はじめましてでも、なんとなく交流が生まれている様子は、子どもたちの人を受け入れるチカラの凄さを感じさせてくれる瞬間でした。
また、久世からの長距離移動をしてきた、星のこども園の園児たち、移動の疲れもなく、はじめて目にするものが沢山あり目を奪われていました。
合流後は、簡単な挨拶を交わし、(大人同士はしっかりと、子どもたちは一緒に遊ぶが優先的)記念の集合写真を撮って、いざ散策へ!
おっと、その前に遊歩道の中を歩く際の注意点の説明!
・赤い色のものは触る前に大人にきくこと。かゆくなるものがあるかもしれないから。
・カエルがいると、それを食べるヘビもいるので気を付けて。もとが見えない茂みに駆け込まないように。基本的には逃げていくよ。
(みんな聞いているかなぁという大人の心配をしつつ)
という基本的な注意を聞いていざ出発!
【散策へレッツゴー!】
最初はささゆり館近くの広場を抜けて橋を渡ります。
道を通り向かう子、道なき道を通る子。ここにも個性が光ります。そして、危険がなければ、見守る。そんな大人のスタンスの上に成り立つことなのだと実感しました。
階段や橋を渡る時、子どもたちは怖いからと手を繋ぎ合います。
その姿を見て、「実は手を繋ぐことって危険につながるんだよね~」というサポーターの方の話。
なぜ???
手を繋ぐことで、一人が転ぶと一緒に転んでしまうという危険に繋がってしまうとのことでした。
「あ!確かに!!」と、新しい発見でした。
「階段」や「森や山(坂など)」不安定な場合と、安定している場合など、場面に合わせて手を繋いだり離したりすることが大切なのですね。(大人の私も自分の安定さを確認しながら手を出す出さないを考えないといけないと勉強になりました。)
遊歩道の入り口が近づいて来ると、これまでの風景とだんだんと変わってきます。
途中、「ヤマナメクジ」の死骸やヘビに遭遇しました。
「実は、山に入るのが、怖いんだよね~。」
「山って好きじゃないんだよね~。」
と呟く星のこども園の子どもたち。
好きじゃないけど、今こうして一緒に向かっていること。
自分の中で、いろんな折り合いをつけたのだろうなと私は推測します。
中には、様々な植物を見て
「あーハートみたい!」
「手みたい!」
くま笹を見て「ふねがつくれるかも!!」
と思い思いの発言が飛び交います。
そして、手には出発前に貰った買い物袋。その中には、気になった植物や思い思いの宝物が詰まっていきます。
水があると、植物が沢山生えている事に気づく子。
空を見上げて、「自然だ。」と呟く子。
人数が多いので、先頭と最後尾は長くなっていましたが、先頭付近では中和保育園の子どもたちが慣れた場所なので「ここは危ないよ。」と後ろのお友達に教えてあげながら進んでいる姿もありました。
そんな姿に頼もしさを感じ、そして今散策している場への愛着を感じました。
道中は、子どもたちの感性に驚かされ、大人の目線では見えない世界を教えてくれているように感じました。
【目的地に到着!】
楽しい山の中の散策も、ゴールに到着。
到着した場には、東屋、炭焼き小屋、草原、大きな木、水辺など子どもたちの心をくすぐる物が沢山。
まずは、炭焼き小屋の説明を聞いて、窯の中を探検!!
真っ暗な中に入るのはとてもドキドキするのが伝わってきます。
手に明かりを持って恐る恐る入った子も、中の空間を探検して笑顔で出てきます。
中には、怖いから入らないという子も。それはそれで、自分で決めて伝えられるという素敵なチカラ。
私と一緒に入ってくれた子は、暗がりの中で光が当たってキラキラする場所を見つけ、
「キラキラ光ってる!!」と嬉しそうに教えてくれました。
他の子どもたちに中の様子を聞くと
「家みたいで楽しかった」
「広かったよ」
「大人が両手を広げたくらい」
と色々な様子を教えてくれました。
【自然の中で遊ぶ】
炭焼き小屋の探検の後は自由時間。
東屋周辺の木材(炭の材料になる木で加工前のもの)などを使い自分たちなりの「家」を作ったり、木材そのものの上で遊んだり、見立て遊びをしたり。
鬼ごっこが始まったり、かくれんぼをしたり。
子どもたち1人1人が思い思いの遊びをしながら交流をしていました。
入口までは、「怖い・嫌い」と言っていた子たちも、思いっきり遊んでいる姿が見られました。
普段はなかなか遊ばないような山の中で、色々なものを見つけている姿はとてもイキイキしていて、瞳が輝いていました。
そして、園も年齢も関係なく遊んでいる子どもたちの姿はとても微笑ましかったです。
【別れの時間】
楽しい時間もいつか終わりがやってきます。
遊びを終えて、スタート地点に戻ります。帰り道は「近道!」とトコトコと帰り、最初に見つけた「ヤマナメクジ」の死骸をもう一度観察して到着。
中和保育園の園児は園での給食があるので、ここでお別れ。
お互いに感謝を伝え、午後からも同じ場所で過ごす星のこども園の園児たちがお見送りをしました。
今回、公立園と私立園の交流の場に参加させていただきましたが、子どもたちにはあまり関係のない話なのだなと改めて感じました。
そして、お互いの良さを感じられる時間を持ったり、新しい発見や経験を感じられる時間を過ごせたりしたことは、とても良い事ではないかと感じました。
今回の経験も子どもたちにとっては長い人生の中の一瞬かもしれないけれど、山に入ったこと、炭焼き小屋に入ったこと、野原でかくれんぼをしたこと。そんな一つ一つが、少しでもこの真庭市という場所に愛着を持つ種になることを願います。
【おまけ】
星のこども園の園児たちはお昼からもクラフトなどを楽しんで園に帰ったとのこと。
お迎えの時には、散策で集めた“お土産”を嬉しそうに見せていたと教えて貰いました。
さて、おうちでどんな会話が繰り広げられたのでしょうか?
※持ち帰ったものの中に、おうちの人の苦手なものがなければよいなと思う私です。
こんな経験が続けられたらいいなぁという職員の皆さんの声も聞こえました。
中和保育園の子どもたちからは、
・「一緒にかくれんぼしたけど、すぐに見つかっちゃった!」
・「お姉ちゃんたちと手を繋いで歩いた。時々、抜かされることもあったよ。」
・「星のこども園のお友達と遊びながら「ジャングルジムみたいだね!」って話したんだ。」
・「たくさん楽しいことがあった!」
このような感想が聞かれたと教えて貰いました。
いつもと違う大人数で遊ぶ経験やいつもと同じ場所でも違う人と過ごすことで新しい刺激をもらえたことが伝わってきました。
(文責 郷育魅力化コーディネーター 秋田智恵子)