
すごろくで発見!子どもと大人が「なんでやねん!」で繋がった人権講座
秋の気配が感じられるようになった9月28日の日曜日。久世公民館のホールは、たくさんの笑顔と熱気に包まれていました。
この日、真庭市人権教育推進委員会の主催で開かれたのは、市民を対象とした人権研修講座。未就学のお子さんから人生の先輩まで、38名もの方々が集まりました。

今回のテーマは「子どもの権利」。でも、机に向かって難しい話を聞くのではありません。使うのは、なんと「子どもの権利 なんでやねん!すごろく1」です!
ドキドキとわくわくが交差する、はじめましての出会い
会場に足を踏み入れた参加者の皆さん。初めて会う人たちと同じテーブルにつくドキドキ感と、机の上に広げられたカラフルな「すごろく」を前にしたわくわく感。そんな期待に満ちた雰囲気の中、講座はスタートしました。
メインファシリテーターの藤木さん(真庭市家庭教育支援チーム ふらっと)から、「人権は、誰もが生まれながらに持っている大切なもの。産まれたばかりの赤ちゃんが周りの大人に守られて生きる権利を持っているように、当たり前のようで、とても重要なものなんです。」と、子どもにも大人にも分かりやすいお話がありました。
さあ、いよいよすごろくの始まりです!
「なんでやねん!」から始まる、発見と対話の連続
サイコロを振り、コマを進めると、止まったマスには「なんでやねん!」と思わず口に出してしまうような、日常にあふれる様々なテーマが現れます。
「公園でボール遊び禁止って、なんで?」 「子どもの意見は聞かなくてもいいの?」
最初は「小さい子には少し難しいかな?」という心配も、あっという間に吹き飛びました。保護者の方や同じグループの大人が自然に声をかけ、一緒に考え、ゲームは進んでいきます。
大人たちは、自分の子ども時代を思い出して「あったあった!」と共感したり、「今と昔はこんなに違うんだね。」と驚いたり。同じ「なんでやねん!」でも、「私はそんなに気にならないかな?」という声もあがり、人によって感じ方が違うこと、多様な価値観があることに気づかされます。

すごろくの細かなルールもグループで話し合います。
ゲームの途中で「こういう時、どうしたらいいの?」とルールについて迷う場面も。しかし、ファシリテーターは答えません。
「皆さんで話し合って、このグループが納得できる方法で進めてみてください。」
決まったルールに従うだけでなく、迷った時にこそ対話し、自分たちで納得のいくルールを作り出す。これもまた、人権を考える上で大切な経験となりました。
ある子が「公園で遊んじゃダメってルールがあったら、仕方ないよね」と素直に答える場面もあり、子どもたちがルールを大切に思う心と同時に、「ルールだから」と考えることを止めてしまっていないか、という大切な問いも投げかけられました。

子どもたちの鋭い視点に、大人はタジタジ?
すごろくの後には、自分が感じる「なんでやねん」を書き出して共有する時間も。
大人からは日々のモヤモヤや、子どもの頃に感じた疑問が。そして子どもたちからは、大人や学校に対するストレートな「なんで?」が飛び出しました。その中にはっとさせられる鋭い意見も多く、子どもたちが普段いかに大人のことをよく見ているかを改めて感じる時間となりました。

遊びの中から、日常の人権へ
「人権」と聞くと、少し難しくて堅苦しいイメージがあるかもしれません。しかし、今回のように様々な年代の人が混ざり合い、すごろくという遊びを通して語り合うことで、それはぐっと身近なものになります。
教科書で学ぶ知識ももちろん大切ですが、それを日々の生活の中で「自分ごと」として捉えるために、このような体験がいかに有効かを強く感じました。
この記事を読んでくださった皆さんも、ご家庭や地域、職場の集まりで「子どもの権利 なんでやねん!すごろく」を囲んでみませんか?きっと、たくさんの対話と笑顔、そして新しい発見が生まれるはずです。
相談・お問い合わせ先
真庭市教育委員会 生涯学習課
0867-42-1094
- 「子どもの権利 なんでやねん!すごろく」は、2019年に子どもの権利条約 関西ネットワークの子どもたちとおとなの皆さんが開発されたものです。
子どもの権利条約 関西ネットワークのホームページ
https://kodomonokenrikansai.wixsite.com/network ↩︎
(文責 真庭市郷育魅力化コーディネーター 秋田智恵子)