河内小学校が教職員・地域学校協働活動推進員・地域住民を対象にコミュニティスクール研修会議を開催
コミュニティスクールと地域学校協働活動の一体的推進を目指して、真庭市立河内小学校が夏と秋に2度の自主研修会を実施しました。郷育魅力化コーディネーターもそれぞれ複数名参加させていただき、コミュニティスクールの推進について、ともに学ぶ機会となりました。今回は、その研修会の様子をお届けします!
夏の研修会「学校と地域でつくるこどもの未来」(令和6年8月27日実施)
学校が主催の研修会は、多くが自分の学校で開催することが多いのですが、校長先生より「周辺地域の学校の先生方とも情報交換したい」「せっかくの研修会なら、いろんな地域の方が参加している場の方が学びを得られるのでは」とアイデアをいただき、真庭市余野にある「高仙の里よの なつつばき」で実施することになりました。夏休み中ということもあり、河内小学校はもちろん、余野小学校、樫邑小学校、米来小学校、落合中学校等から教職員、地域学校協働活動推進員、保護者、地域住民等、総勢29名の参加がありました。
↑研修会の様子
初めに、余野小学校地域学校協働活動推進員の藤田亮太氏から取り組みの紹介があり、学校と地域を繋ぐコーディネーターとしての想いや願いを共有していただきました。年間を通じてどのように学校と連携をしているのか等、具体的にお話いただきました。
↑余野小学校の藤田推進員からの事例共有の様子
その後、岡山大学学術研究院教育学域の髙瀬淳教授より、「学校と地域でつくる子どもの未来―社会に開かれた教育課程の実現―」と題してご講義いただきました。国語の教材を例に、教育課程の中で、地域や家庭と連携した意図的・組織的・系統的な学習の実践を参加者同士で体感をする場となりました。
↑岡山大学学術研究院教育学域の髙瀬淳教授のご講義の様子
立場が異なりつつも、学校と地域が協働して子どもたちの学びを支えていくための重要なエッセンスをいただける機会となりました。学校や地域が異なるからこそ気づきを得る、そんな場になったように思います。郷育魅力化コーディネーターとしても、地域の枠を超えてこのような研修会をサポートさせていただけて、大変光栄でした。
<参加者の感想(抜粋)>
・地域と学校のまったりとした繋がりの重要性について学ぶことができた。
・学校をよくしたい、地域をよくしたいという共通の思いのもと、対話をしながらそれぞれの地域の特長を生かしながら進んで いくことが大事だと感じることができました。
・保護者OBとして、もっと声を上げ、周りの保護者・地域住民を巻き込んでいく必要があると感じました。 また、先生方に対して「何のためにこれをやるのか、今何をしているのかを保護者や地域に知らせる必要がある」と仰っていたのを大きく頷きながら聞きました。
・いい会でした。元気と勇気が出ました。あえて地域を変えたのも良かったのだと思います。
・学校と地域がつながっていくことはとても重要なことだということは分かりつつも、なかなか継続して連携していくことは難しいことだと感じていました。学校から地域の方に協力してほしいことをお願いすると、地域の方は快く引き受けてくださるけれど、その活動が子どもたちのどのような学びになっているのか、というところまで学校が説明していかないと、継続した活動やつながりになっていかないということが身に染みて分かりました。学校と地域が連携していくために学校からの「説明力」を大事にしていきたいと思いました。
秋の研修会「地域とともにある学校」(令和6年11月1日)
秋の研修会は、河内小学校で行われ、5・6年生の子どもたちも参加しました。郷育魅力化コーディネーターも4名参加させていただきました。
初めに、岡山大学学術研究院教育学域の熊谷愼之輔教授より、「地域とともにある学校」と題してご講義いただきました。地域と学校が協働した他県の取り組みの紹介をしていただき、地域学校協働活動の課題、「幸福とは?」といったことについて、じっくり考える場となりました。その後、5年生から「河内小の米づくり」、6年生から「キリタローの館プロジェクト」について活動発表があり、最後に子どもたちも大人に混ざってワークショップが行われました。
ワークショップでは、「well-being」について意見を出し合い、河内地区の未来について考えました。少し抽象的で難しい内容ではありましたが、小学生も一生懸命話し合いに参加し、「どう生きたいか」を見据えながら、3月9日にキリタローの館(美作追分駅敷地内)で行われるお祭りに向けて素敵なアイデアを出し合っていました。まさに大人との対話の時間でした。立場や年齢を問わず、同じ目線で語り合う、そんな時間となりました。
<参加者(大人)の感想(抜粋)>
・こどもたちとディスカッションできた。
・ワークショップでこどもたちが生き生きとしていた。
・小学生が参加していること自体素晴らしい。
・イベントに向けて具体案がたくさん出た。
・みんな色々な意見を出して、自分が決めたテーマについてよく考えていた
<参加者(こども)の感想(抜粋)>
・意見をたくさん出し合えた。
・大人の人と一緒に考えたこと。大人と話し合うことがあまりないから印象に残った。
・大人のひとや小学生との話し合いで仲が深めれた。
・みんなで考えてチーム名や多様性などを決めるやつで協力できたのが印象に残った。
・価値観を選んで、それを発表して、地域の人と関われるのが、とても楽しかったです。
・みんなの意見だけでなく、大人の人の意見も知れてよかった。
・色々な人と交流しつつ、人の気持ちなども考えられてとても良かった。
2度の研修を終えて
研修は、回数を重ねればよいというものでもなく、いかにその学校や地域の財産にしていくかということが肝になると考えます。学校と地域の連携は“目的”ではなく、あくまでも“手段”です。子どもたちの未来や地域の未来を想像し、「こうなってほしい、だからこの取り組みをしよう」と逆算的な考え方を持って、活動内容を充実させていくことが重要です。子どもたちの意見も反映され、まさに地域と学校がともに歩む仕組みづくりが必要ではないかと考えます。
(文責:郷育魅力化コーディネーター 森年雅子)