地域学校協働活動で遊び場!?「くさかべdeあそぼ」開催
草加部小学校で「あそびのわプロジェクト」スタート!
昨年度末、草加部小学校の先生方より「保護者の方からこどもたちの遊ぶ場所がないという声を多く聞きました。」と郷育魅力化コーディネーターにご相談があったことがきっかけ。話を聞いてみると、共働き世帯が多く、特に夏休みや冬休みなど、長期休業中はこどもたちがどんな風に1日を過ごしているのか、とても気になっていらっしゃる様子でした。仕事も子育ても…日々緊張感を綱渡りするかのように生きている大人たちが、こどもをおおらかに見守りながら一息つける機会があったらいいのでは?と学校・保護者・地域住民・行政の4者で小学校を舞台にプロジェクトがスタートしました!
地域学校協働本部の仕組みを活用
今回のプロジェクトは、学校・保護者・地域住民・行政の4者がそれぞれの強みを生かしながら、力を合わせて進めることに。会議を進めていくと、こんな想いが明らかになりました。
◎学校…もっと地域の方に関わってもらえる学校にしたい!
お子さんやお孫さんが草加部小学校に通っていない方でも気軽に学校に来てほしい!
こどもたちがのびのびと育てる環境を草加部地区に充実させたい!
◎保護者…長期休業中のこどもたちの居場所を確保したい!
小規模校だからこそ、いろんな人と交流する機会を作りたい!
こどもの意見を聞いた、こどもも大人も楽しめる場が欲しい!
◎地域住民…こどもが元気なことは地域にとっても嬉しいこと!
地域でできることは協力したい!
さぁ!ホップ・ステップ・ジャンプミーティングだ!!
それぞれの想いを大切に、プロジェクト会議がスタート。
まずは4月下旬に学校の先生方、そして保護者の皆様へ「あそびのわプロジェクト」について郷育魅力化コーディネーターの森年と大垣内から説明させていただきました。昨年度実施した「よのdeあそぼ」や「勝山deあそぼ」などの動画とともに、あそびがこどもたちの主体性を伸ばすこと、こどもも大人もゆるやかに繋がり、ホッと一息つける時間が生活をより豊かにすることなどについてお伝えしました。
そして、5月に入り、いよいよ、くさかべdeあそぼ「ホップ・ステップ・ジャンプミーティング」として、プロジェクトがスタートしました。ホップ・ステップ・ジャンプミーティングとは、2回の助走ミーティングを行い、ジャンプで本番を迎える…というイメージです。遊び場を学校・保護者・地域住民・行政の4者が目線を揃えて企画・運営していくような取り組みでは、「一体打ち合わせにどれぐらいの時間がかかるのか…」と不安になるところもおおいにあるかと思います(会議の負担を想像し、こういった取り組みに参加したくなくなる理由でもある…)。今回、打ち合わせから本番までを「ホップ・ステップ・ジャンプ」と表現することで、参加者に「限られた時間を有効に使ってのミーティングを行う」ことを伝え、準備に関する心の負荷を減らすねらいがありました。
初回のホップミーティングでは、プロジェクトメンバーのみなさんに自己紹介をいただいたあと、ワークショップ形式でこども時代の原体験を思い出していただき、こどもたちにどんな時間を送りたいかについてざっくばらんに話し合いました。はじめは「どんな会議をするのか…」「かしこまった会議だとツラいなぁ…」と思われていた方もいらっしゃいましたが、インタラクティブ(双方向)なやり取りで対話が生まれ、徐々に笑顔が増えていったように思います。「話したい!」という想いが溢れて、ファシリテーター(今回は大垣内が担当)がいなくても、どんどん話が進んでいきました。
↑ミーティングの様子
ステップミーティング(第2回目の助走)の前に… / こどもの声を大事に扱う
ホップミーティングの中で、プロジェクトメンバーのみなさんから「こどもたちの意見も聞きたい」「こどもたちがやりたいことをやらせてあげたい」という声が上がり、6月にこどもたちへヒアリングをさせていただきました。元気いっぱいのこどもたちからはたくさんのアイデアが。中には、「生きた魚のつかみ取りを学校でしたい」「消防車に来てもらって、放水をしたい」など、こどもたちならではの発想に触れることができました。
↑こどもたちとの作戦会議。先生方も温かく見守ってくれています。
そして第2回目の助走、ステップミーティング!!
いよいよ、学校で実施する際にどんな遊びができそうか、こどもたちの意見も踏まえてメンバーで考えました。一番ネックになったのが、費用面…。あれもしたい、これもしたい、という想いがあるからこそ、メンバーで頭を抱え、それぞれが持ち寄ることで解決策を見いだせました。
火のエリア、水のエリア、走るエリア、お絵描きのエリア、しっとりと過ごすエリア…。話し合っているうちに大人たちも楽しくなり、当日に向けて準備が進められました。
↑こどもたちのやりたいことが詰まった校内地図
くさかべdeあそぼ当日
前日の天気予報では雨…。当日はハラハラしながら、地域学校協働活動推進員さんを中心に準備が進められました。なんと手際のよいこと…!!雨対策のターフを張る…等、創意工夫が必要な場面も多い中、地域の方の生きる知恵がこういった場でも生かされ、サクサクと準備が進み、集合時間よりも早く、こどもたちも集まってきました。
いざ、あそびが始まると、水ゾーンでは開始10分で全員がびしょ濡れ。先生や大人たちに容赦なく水をかけます。一方火のゾーンでは、原始的な火起こしが。作業中に「お腹すいた~!」「今日ウィンナー持ってきた!」と食べ物の話も盛り上がります。
少し時間が経つと、どどーん!と大きなスイカが1玉。スイカを割って、みんなで頬張りました!室内ではお絵描き、屋外ではリレーが繰り広げられ、大人も混ざって、笑顔の絶えない時間となりました。
振り返りでは、「またやりたい!」「次はいつやるの?」とこどもたちからの声が続々。「大人と勝負できたのが楽しかった」「日ごろ、やっちゃダメって言われていることができて楽しかった」という感想も。
地域学校協働活動としての遊び場
今回、草加部小学校では、地域学校協働活動として遊び場を実施しました。学校・保護者・地域住民がそれぞれの強みを生かしながら、「あぁでもない」「こうでもない」と熟議を交わし、こどもたちの声も拾いながら、実現に至りました。
保護者のみなさまからは、
・学校の仲間と一緒に遊べてこどもたちが楽しそうでした。
・遊びの種類が多く飽きることなくとても楽しめていた。
・それぞれが遊べる空間がしっかりできていたと思います。
・七輪はなかなか触れる機会がないので、すごく良い体験になったと思う。
・七輪でサバを焼いてめちゃくちゃ満喫していました。
・思いっきり遊ぶことが出来てみんな楽しそうでした。
・先生と一緒に水鉄砲で遠慮なく遊べていて笑顔がたくさん見ることが出来、良かったと思う。
といった感想をいただきました。一方で、「運営は大変だよなぁ」「まずは参加することから…」といった率直な意見も頂戴しました。
我々郷育魅力化コーディネーターとしても「誰に幸福になってもらいたいのか」を考え、「幸福になってほしい人が幸福であると感じられる地域」を目指して、伴走支援をさせていただきました。こどもたちも、学校も、保護者も、地域の方々も元気になる、そんな活動が今後も広がっていくことを願っています。
(文責:郷育コーディネーター 森年雅子・大垣内弘美)