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【前編】5/19 西川 正さん講演会 & 遊ぶ機会づくり交流会

▼やってみたいが生まれる場所って?

 みなさん、こんにちは〜。VIVA まにわ編集部員(兼 郷育魅力化コーディネーター)かき こと 大垣内です。去る 5/19(日)「みんなで作ろう!やってみたい!が生まれる場所 part2 〜真庭市中央図書館館 長 西川正さん講演会&遊ぶ機会づくり交流会」を開催しました。今回はその取組をレポートします。
この企画で大事にしたことはこんなこと↓

「まにわあそびのわプロジェクト」で大切にしていることは3つあります。こども達が何気ない日々の暮らしの中で幸せを感じられること。監視社会という側面があり緊張感溢れる日々の中、こどもも大人も力を抜いて過ごせる環境を作りあうこと。この変化の激しい時代において、1人1人が悩みながらも考え、自分なりの「最適解」らしきものに近づきながら、自分なりの歩幅で地域づくりを楽しむこと。そんなことを根幹にしながら活動を作っている取り組みです。(ゆえに、数値でははかりづらく非常にわかりづらい取り組みとも言えます。こういうことを推奨されない…社会の動きの中での素朴な抵抗)

▽講演会…と言いつつ、大事なのは参加者同士が対話する場を作ること

 講演会といいながら、堅苦しい形は取らず。机の配置もスクール形式ではなく、グループワークで「自己紹介・三角柱」からスタート。その場所で出会う人達と知り合うミニワークの時間から作りました。一方的にお話を聞く…ではなく、1人1人が発言する機会があることで、今回の企画を作る参加者ではなく「参画者」となること。みんなで「手作りの時間」を体感することが、ひいては遊ぶ機会づくり…まちづくりにも繋がるという影ながら…のメッセージでもありました。

▼遊びってなんじゃろ〜?
中央図書館館長 西川正さんと考える「みんなのまちづくり」

 「やってみたいやってみたい、やってみた〜〜〜い!」とこどもの頃からそういったものが自分の内側から溢れる人もいれば、実際に「やってみたいこと…。なんだっけ?特にないや」「あっても言いたくない(だって、言ったら否定されそうだし…)」などという気持ちにもなったりします。案外「やってみたい!」エネルギーと行動力に溢れる人の方が少ないかもしれません。成長していく課程で、自分のやってみたい…が踏みつけられたり言い出しにくかったり…。同調圧力が高い日本においてそもそもそういう発言が大変なんじゃ!!ということもあり得るかもしれません。そんな訳で、「それ、やってみたいかも?」と小さく素朴な願いを持ちながら、自分の内側にひっそりあたためている…そんな人の方が多いかもしれません。

そんな背景も想像しつつ…。では、やってみたい!が生まれる場所ってどんな場所?西川さんは講演会冒頭にずばり一言。「やってみたい!が生まれる場所って、安心してそこにいること。結論から言うとそれに尽きるんですよ〜。」とのこと。た、確かに…。

▽否定されない安心感ってこういうことか!トークフォークダンスを体験する
 今回は、トークフォークダンスのショート版。お隣に座った人同士で、1分ずつ与えられた「問い」を伝えあうことを交代交代でやりました。

Q一生の中で一番楽しかった遊びは?
Q幸せになる為に何が必要ですか?

 西川さんから、トークフォークダンスのルール説明がありました。

「話し手」の方へ
無理に話さなくてよい。話してもいいと思うことだけ話す。聞かれてもこたえなくてもいい。答えることが難しかったら、「うーん」といって一分間終了することもOK。

「聞き手」の方へ
相手を否定しない。説教はもちろん、アドバイスもしない。ただ聞いてください。相手が話しやすいようにうなずいたり、「というと?」などと問いかけはあり。

↑見よ、この表情。会場中、笑いに溢れていました。参加者の声としては「説教・アドバイス禁止ということで、評価されない…ということで安心感を感じました。」とのこと。安心感があるとどんなことでも話がしやすい。短い時間の中でそういった体験をする時間となりました。

 西川さんのお話では「学校でこの取り組みをやると、担任の先生がびっくりされます。教室では全く話をしない子どももこの場で話し出す現象が起きる」。安心感があると、ついついお話してしまう…、そんな体験を目の当たりにした感覚です。

▽子どもって、AKB??!〜今回反響が大きかったこの言葉
子どもはAKB??!一体この言葉は、なんじゃらほい??と思っていると。西川さんの解説は…。
(A)あぶない
(K)きたない
(B)ばかばかしい

 西川さんの撮りためた写真をみると…、なんておおらかな表情のこども達でしょう〜。バカバカしい…のに面白い。思わず笑ってしまうたくさんの写真を見せてもらいました。そんな表情の背景には、こどもたちを評価軸ではない「面白いね」のまなざしが注がれていること。「やってみたいな」=冒険は、安心とセット。安心のまなざしがあるからこそ、こどもたちは夢中で遊び、やってみたい!が溢れてくる。参加者からの感想にも「バカバカしいが表現できる環境づくりに取り組みたい」という声が多数聞こえてきました。

▽こどものWell_being 〜明日の為の今日じゃない / 今この瞬間を生きるこども達

 さて、みなさんはこども達の幸せ…に想いを寄せたことはありますか?こどもがよい状態でいられるのは、決して大人がやらせたいことではない。遊びながら過ごす時間の中には、一生懸命どうやっていこうか…こども自身が自ら考え創意工夫を重ねていける余白があること。そういった時間の中に「あぁ、今日も楽しかったぁ」と感じられる。今日よかったな…と思えると、明日もまた面白くなる…!!と思える。

 「明日のために今日があるわけではない。今日の続きに明日がある。」それが子ども達の時間の特徴…というお話がありました。こどもの将来の為に…と言いながら、こども達自身のやってみたいな…という時間がどんどん削られ、今この瞬間を生きられない。やらなきゃいけない義務感に圧迫され、生きづらさを感じてしまうこどももいるのでは。今、大人たちがこども達にできることは、もしかしたら「こどもがこどもとして過ごす時間」を返し、こども自身が自分の想いを表現し、選択できることなのかもしれませんね。

▽不安を煽られ思考停止…気づくと魔の手が迫っている??
【事例①】某・通信教育の会社から、子どもへのお手紙
・新学期、お友達に差をつけちゃおう…!入会キャンペーンを多発する。子どもへの脅迫では?

【事例②】某雑誌:賢い子が育つ!入学前に身につけたい習慣 / お宅の父親力が子どもの能力を左右
・先回り…と父親へのプレッシャー…。うぅむ、、どちらも不安を煽るような…

西川さんの子育て経験から出会った事例をご紹介して頂きながら、気づいたこと。社会の中でいかに私達が「不安を煽られているか」。そして、そういった大人の不安が子どもへの「あれせぇ、これせぇ」に繋がってしまうのでは…、という言葉にも膝をうつのでした。不安を煽られていることさえ気づかず、その言葉の真意を考えずに受け入れてしまう。今こそ、「なぜ / なに / どうして??」と大人も本質を見極める力が必要かもなぁ…と感じました。

後半では、「じゃあ、なぜ今遊びなの??」をお伝えします。お楽しみに〜

文責:郷育魅力化コーディネーター かき こと 大垣内 弘美。

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