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やってみたいな…が叶う場所 西野博之さん講演会・報告

去る 12/23(土)神奈川県川崎市で「共に地域で育ちあう場」を作り続けている西野 博之さん(認定NPO 法人 フリースペースたまりば 元理事長)をお招きし『みんなで作ろう!「やってみたい」が生まれる場所』をテーマに講演会を行いました。

この講演会にご参加くださったみなさま、ありがとうございました。今回の講演会をふりかえり、自分の中に印象で残っている言葉を紹介しつつ、ご報告させて頂きます。(当日の詳細報告は後日特集ページに記載されるので、お楽しみに〜〜〜。)

▼試行錯誤する「遊びの世界」がもたらすものって?

第一部の西野 博之さんの講演会では、川崎ゆめパークに出入りしている様々な大人の話もでました。
遊び場の魅力は子育て中の親子のみならず、様々な年齢の人たちが入り乱れてわちゃわちゃ過ごせること。親や先生のような縦関係でもなく、同学年の友人のように比較対象になる横並び…でもなく。関係性が混沌とすることで、かえって居心地がよくなる場所。

その中で、サイエンスミニシアター(仮説実験授業)を行うひらせん(平林 浩さん)という元小学校の先生のお話が紹介されていました。御年 80 歳を超えるひらせんは、子ども時代から野山を遊び場とし、「左手にサイエンス / 右手にロマン」を携え、地域の子ども・大人といっしょに科学を楽しむ教室を開いているそうです。

そのひらせんに西野さんが尋ねた質問。「ひらせん、学力ってなんですかね?」
「出会いをものにする力」

この「出会いをものにする力」を手に入れるには、遊びを通じて試行錯誤することではないでしょうか?と西野さんがご紹介くださった言葉がじんわり心に残りました。どんな子どもも持っている「知りたい / わかりたい / やってみたい」その初期衝動のような想いをつぶさず奪わずに、私達大人は子ども達の内側に宿る力を信じて関われているだろうか?とはっとさせられたのでした。

▼気づくと削られていく子ども達の時間

『おとなの「やらせたいこと」で子どもの時間が区切られていく。子どもの「やってみたい」の時間が削られていく。』これによって、ありのままでいていいよ…と言いながら、子どもの時間を奪っているのは誰なんだろう?と。…大人にとっては、耳と心が痛むお言葉です。

ミヒャエル・エンデが描く童話「モモ」のように、私達自身が「人間の時間を盗む。」ことで、日毎に心が貧しくなり、画一的になり、日毎につめたくなっていく…。あの描写に似ている一人になっていないか…、胸に手を当てる時間にもなりました。

「子どもにとって遊ぶとは、生きることそのもの。」
生まれてきてよかった、生きてきてよかった…、と思えるまちであることは、子ども達・大人にとって
も自分自身をゆだねられる安心感を感じる場所…になり得るのかもしれません。

▼やってみたいな…が叶う場所 〜願いを応援しあうこと

どんなに小さくても「やってみたいな」が在ることは、まちの灯火のような希望になるのかもしれないな…と改めて気づかされる時間でした。今回の講演会は、教育長三ツ 宗宏さんが西野さんに会いたい…と願ったこと。そして、第二部登壇者であり子育て支援拠点「ほくぼうほたるっこ」を運営する原優子さんにとっても「長年に渡り、会ってお話したい存在だった」という西野 博之さん。偶然にもお二人の想いが重なり、映画会を含め、事前準備から多くの人達がさらに想いを重ね…、当日参加者にも届いたこと。そして、参加者のみなさんも第二部が終わった後も感想シェア会で、更に講演会の気づきが深まる時間となりました。

今回お集まりくださったみなさま、当日は来ることができなかった…けれど興味があった皆様に向けて、来る 5/19(日)「まにわ あそびのわプロジェクトの報告会 兼 交流会」を実施する予定です。またぜひともご参加して頂き、共に想いを重ねてもらえたら嬉しく思います。

郷育魅力化コーディネーター:かき こと 大垣内 弘美

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