
【11/4(祝)おそと de あそぼ!】思いつきも持ち寄りもウェルカ〜ム!作って壊せる外遊びの魅力
春から秋にかけての怒涛の活動期を抜け、あっという間に冬。活動期を過ぎ、冬籠り…をしたいところですが、活動期での怒涛の日々を報告させて頂きます。去る11/4(祝)におそとdeあそぼ!を行いました。前編では、地域の方々の持ち寄りアイデアとその場の思いつき(ノリ)で有形無形の遊びがたくさ〜ん展開されました。その中の一部として、地域住民の方と力を合わせて運んだダンボール , どんぐりコロコロ , 手作り自由工作エリアでの動きをご紹介します。

▽市役所に遊び場出現?!!
なぜ、自然豊かな真庭市で、敢えて市役所の駐車場で遊び場を?それには、生涯学習課 谷岡 理江さんのこんな想いがありました。「遊び場は誰でもどこでもやれるのがえぇんじゃあ。アスファルトでも遊べるよってのも大事なんじゃあ。真庭市民の多くの方にそういう体験をしてほしいんじゃあ。」…なるほど、なるほど。そういった経緯もあり、敢えて「この駐車場で遊ぶんか〜い」というツッコミどころ満載な中、「おそと de あそぼ!」に取り組みました。 地域の中で、この取り組みに共感してくださる方々と共に行う持ち寄りの「手作りの遊び場」。11月連休の最終日、遠方に行かずとも「真庭市内で楽しい時間」をお出かけしやすい寒くない時期に行うことで、子どもはのびのび / 大人もゆったり過ごせる楽しい機会となること。色々な人と出会う中で、子どもをゆったり見守れる機会となったらいいな…、そんな願いを込めての取り組みです。
▽最初から最後までカオスだった…ダンボール遊び



ダンボールエリアでは、真庭市立中央図書館 館長 西川 正さん(のちのげらげら滑り台 / ダンボール補充隊長)が「混沌なまま始まり混沌なまま終わった…。」と笑いながらお話ししていた通りでした。まだ始まっていないぞ〜!という段階から積み上げられた段ボールはぐちゃぐちゃなまま雪崩のように崩れ落ち…。崩れた中を子どもたちが勢い込んでダーイブ!ジャーーンプ!
一方で、別のダンボール山では、ダンボール雪崩山(←かき命名)を滑り台のように滑り降りる子どもたちがごった返す状態。斜面上は、複数人のこどもたちがきゃあきゃあ声をあげ、しまいには何がおかしいかわからないけど、子どもも大人もこの状況がおかしすぎてげらげら笑ってしまう始末。「これは、もう、芋洗いのごった混ぜ・げらげら滑り台だ…」と小さな声で呟く私。公園の滑り台との違いは、一瞬たりとも同じ形を維持できないので、(なぜなら、ダンボールは常に崩れ落ちるのだった)不安定さとスリルが一体となっているところ。滑り台は、ダンボールを積み上げただけ…の簡素すぎる仕組みなので、子どもたちが滑る度に当然雪崩が起き、形が変わっていきます。薪をくべるようにダンボールを補充しながら斜度を保つ必要あり。「助っ人必須」状態となり、見ている(予定だった)大人も思わず手を差し伸べて必死で薪(=ダンボール)をくべるのでした。「あぁ、なんていい運動なの…、今日こんなに動くなんて思わなかった(笑)」という大人の声も印象に残っています。
このダンボールエリアの「ダンボール補充隊長」として暗躍されていた西川さんからは、「小さな子どもが恐る恐るダンボール斜面から降りようとしていたけれど、自分のペースで親の手を離れて自分の手足で進んでいこうとする姿、遊ぼうとする姿、そういう場面に出会うのがたまらないよねぇ」という言葉にも深くうなずくのでした。

▽居合わせた人と共に進化する「どんぐり滑り台」

どんぐりころころエリアは、生涯学習課 藤木さんのパートナーの「せんせい(あだ名)」が大工仕事や図画工作が大得意!ということで、今回初登場で、どんぐり専用の滑り台を作って頂きました。 さて、どんぐり滑り台とはなんぞや?それは、流しそうめん台のような装置に、拾い集めたどんぐりを流すどんぐり専用の滑り台。「どんぐりころころどんぶりこ〜🎵」と親子のみならず、その場にいる誰もが口ずさみたくなる歌なので、合唱しつつ、どんぐり流し。その場所で長く見守ってくださったボランティアさんからは、「どんぐりでこんなに遊び込めるなんて…!」と、その滞留時間の長さに驚いた…とご報告くださいました。どんぐりの中にいる虫を引っ張り出して、その虫もどんぐり滑り台で流そうとするこ子どもや、どんぐりの音を楽しむ子ども。どんぐりはどれも不規則な形をしているので、その不規則さゆえに予測不能な動きをするどんぐりに子どもたちみんなの目が釘付け。他、素朴な装置と自然素材を楽しむ遊びだからこそ、子ども自身の想像力 / 創造力で遊べる場所になっていました。担当してくださった藤木先生からは、「練習の時はビー玉じゃったから流れが良かったんやけど…。当日は、どんぐりの形ゆえの不均衡さで台を微調整する必要が出てきたのよね。そういう改善や微調整もしながら、その場に居合わせた子どもたちと共に仕上がった台!というのも良かったのよぉ。」とのことでした。
▽遊びは繋がる 〜みんなで固唾を飲んで見守る「ダンボール巻き寿司達」のレース!

今回は、書ききれないぐらい、他にも名前のある遊び、名前のつけようのない遊び、色々なものが展開されました。どれもこれもおかしくて魅力的なものがたくさん!中でも、段ボールキャタピラー(芋虫)競争は、大きなダンボールの中に子どもや大人が入り、前が見えない中前進する…という、動きがガサガサ動く芋虫みたい。まっすぐ走り始めても、中に入っている子どもや大人には外が見えないので、どんどんコースアウトし、危なっかしい中、スイカ割りのように「導く声の主」が現れたりします。キャタピラーは、見立てによっては「巻き寿司」にも見えなくもなく、「今から巻き寿司たちの対決をやりますよ〜。」と子どもたちと共に、遊びに来ているみなさんに呼びかけると大人も含め、巻き寿司1〜3巻がスタート位置につきました。(写真の段ボールには人間が入っています↑)
その様子を自由工作エリアで工作している皆さんが、作品作りの手を止めて固唾を飲んで見守り、応援し始めたのでした。違う場所で遊んでいるのに、同じ時間を共有し合う仲間のような感じとなり…。まさにその場に居合わせる人たちが、遊びの大きな輪の中で繋がりあい共有体験をしているような…。「まにわ あそびのわ」が広がって共鳴し合う瞬間に立ち会っているなぁ、という不思議な感覚がありました。遊びを通じて、一緒に時間を過ごすって、こんなことが起こるのですね。振り返ると、その場に居合わせた人達と共に、変幻自在に変わっていく…、遊びの魅力を再確認する機会となりました。 後編では、「私の得意が居場所になる〜七輪からのエピソード」をお伝えしたいと思います。

文責:郷育魅力化コーディネーター 大垣内 弘美(かき)