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大津神社に遊び場出現!霜月祭で「神社deあそぼ」開催!

真庭市余野地区で行われる「霜月祭」をご存じですか?

霜月祭(しもつきさい)は大津神社が余野の地に建立されてから約680年もの間、続けられていた神事でした。歴史ある文化を後世に残すため、現代に合った形で祭を継続していこうと、2021年より実行委員会が立ち上がり、「よのぬくぬくまつり」として新たにスタートを切り、今年は2024年12月1日(日)に開催されました。

そんなぬくぬくまつりの中でなんと今年は遊び場が登場!大自然に囲まれた歴史ある神社の中で、思いっきり遊んじゃおう!ということで、郷育魅力化コーディネーターも遊び場運営に携わらせていただきました!当日は、地域で子育て支援団体として活動されている「まるっと」さんと、教育NPO団体manabo-deの協力を得て、「みんなで創る、みんなで遊ぶ」、そんな空間づくりを一緒にさせていただきました。

まだ始まってないぞ~!

霜月祭が始まるのは、午前10時から。神事があり、餅投げののち、「よのぬくぬくまつり」として遊び場もスタートします。…が、気付けばこどもたちが開始時刻よりも前に集まり、遊び場チームが練りに練ったスタンプラリーをすでに始めている!(笑)

今回、遊び場チームで設置したスタンプラリーは、神社の中をぐるっと1周できる仕掛けになっており、なおかつ、台紙に書かれたヒントをもとにスタンプを探すという、少しレベルの高いもの。…にも関わらず、こどもたちはどんどんスタンプを見つけていきます。なんと、10時の神事が始まる頃には、コンプリートしているこどもたちもチラホラ…。恐るべし、こどもたち。

さぁ、いよいよ遊び場スタート!

神事が無事に終わり、餅投げで一通り盛り上がったあと、屋外では、芝生ゾーン、七輪ゾーン、インディアンクロスや和紙染めができるクラフトゾーンなど、こどもから大人までまったりと過ごすことができるエリアを準備。芝生エリアにはどんぐりをコロコロ転がして遊べる木や竹のおもちゃも出現!この日に合わせて、余野地区の住民の方が自然素材を使って作成してくださいました。また、七輪ゾーンでは、余野地区のみなさんが火起こしから火の番までこどもたちがケガや火傷をしないように、見守ってくださいました。自分で持って来たマシュマロを焼いたり、餅投げで拾った餅を早速焼いてみたり…。中には、マルシェで購入したものを再度あたためるために七輪ゾーンに来たツワモノも。各々の楽しみ方で、屋外エリアを堪能してくれました。

そして、少し離れた紅葉がとってもきれいな場所に「みんなで創るしんぶんプール」が出現!もちろん、新聞紙は自宅に届く状態のまま。自分たちで必要なだけ、ビリビリ破って自分たちでプールを作ります。ただ破くだけなのに、なんだか楽しい。遊びに来ていた中高生・大学生、大人たちも夢中になって新聞を破ります。気づけば、あっという間に新聞プールの出来上がり。ガサガサと埋もれて、「あったか~い」と寝床にする人も…(笑)

屋内エリアでは、巨大模造紙ゾーンと、まつぼっくりツリーの作成ゾーンを設置。「こんなに大きな落書きしたことない!」とこどもたちはペンやクレヨンで巨大な絵を描きます。ピカソのような芸術的な絵から、絵しりとりまで、こどもたちの発想に任せて、素敵な作品が描かれました。まつぼっくりツリー作成ゾーンでは、大きなまつぼっくりに綿をつけたり、マジックで色を付けたり、毛糸で巻いてみたりとオリジナルツリーが完成。親子で楽しめたり、大人の方が夢中になったり…。2時間かけて作成した子もいました。

こどもたちの様子をうかがっていると、初めましてのおともだちといつの間にか仲良くなっていたり、いつものおともだちと競い合ったり、はじめての遊びを経験したり、いつもの遊びを大勢で楽しんだり…。きっとここでしか体験できない遊びが生まれたのではないかと思います。

神社の中のワクワクな仕掛けがこどもにとっても大人にとっても刺激的で、「帰ろう」と親が言っても「帰りたくない~」とこどもたちが言ってしまうほど。(逆も然り…(笑)。)神社という場所だから楽しめることもたくさんあったようです。

「みんなで創る」という良さに触れた準備期間と振り返り

当日に至るまで、我々郷育魅力化コーディネーターも霜月祭・よのぬくぬくまつり全体打ち合わせ会議に何度も出席させていただきました。

地域の方々は「霜月祭の伝統を守り抜きたい」、そして「新たな価値を見いだしたい」という願いを強く持っており、今回の伴走支援では地域住民の声を大切に拾いながら遊び場の設計をしました。今年の霜月祭・よのぬくぬくまつりは神事やマルシェなど複合的にさまざまな要素が盛り込まれていたこともあり、遊び場チームとして誰に何を届けたいのか明確にしておく必要がありました。

事前打ち合わせで霜月祭実行委員会から、「そもそもの余野地区のこどもの居場所が少ないといった問題がある」、「他地区から来訪する人が家族連れで楽しめる場にしたい」、「自分たちで創り上げる価値を余野の住民に感じてもらいたい」など、遊び場を企画運営する上で大前提となる想いを共有していただき、「余野地区における、神社での遊び場」という条件をどう強みに変えて実施するか、遊び場チームでも作戦会議を行いました。

こんなことをやってみたい、こういったコンセプトで進めたい、という目標を実行委員会のメンバーと何度もすり合わせ、当日実施に至りましたが、実行委員会からも当日遊びに来てくれた参加者からも非常に前向きな声をかけていただくことができました。何より、余野地区の住民の方々が遊び場を一緒に運営したり、率先して活動の一部を担ってくださったりしたことにより、余野地区ならではの空間を創ることができたのでは、と思っています。

振り返りの際には、「遊び場があることで、1人当たりの滞在時間が長くなり、地元の方と地域外の方が交流を深められてよかった」、「こどもが楽しめる=大人も楽しめるという構図が最高だった」と声をかけてくださいました。実行委員会の方は「新たな価値を創造できた。まだ第1歩に過ぎないが、余野地区のみなさんが楽しそうに過ごす1日として、まだまだステップアップしていきたい」と言葉を残されました。

我々の伴走支援は、単に遊び場を設置することが目的ではなく、その背景や願いを汲み取り、いかに地域の中で価値創造していくかが重要です。今回のように、事前の打ち合わせから振り返りまでご一緒させていただくことで、また新たな価値が生まれることが何より嬉しく感じます。今年の霜月祭はどのようなお祭りになるのでしょう…。今からとっても楽しみです!

開催日時:12月1日(日)10:00-15:00 
会  場:大津神社(真庭市余野下728)
▼主  催:ぬくぬくまつり実行委員会
▼共  催:霜月祭実行委員会/やまびこマーケット実行委員会/真庭市
▼後  援:真庭市交流定住センター
▼助  成:公益財団法人福武教育文化振興財団 

(文責:郷育魅力化コーディネーター 大垣内弘美・森年雅子)

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